らるごろう映画評ブログ

映画鑑賞の感想・意見を記事にします。

「感想」シン・ウルトラマン 人間も一つの生命体

shin-ultraman.jp

「シン・ウルトラマン」を観賞。2016年に公開された「シン・ゴジラ」から6年。特撮の新時代が動き出した。

昭和・平成時代の特撮と比較し、主な違いは3つ。「スーツアクターによるアクションとCGの融合」、「怪獣の多様性」。そして「カメラワーク」である。

スーツアクターによるアクションとCGの融合

まず、1つ目に「スーツアクターによるアクションとCGの融合」は、言葉の通りスーツアクターによるアクションだけではなく、CGを組み合わせることによってより立体的な動きや映像美を表現している。

例えば、原作の「ウルトラマン」でも見られた「ジャイアントスイング」。「シン・ウルトラマン」では、ジャイアントスイングはあらゆるカメラワークの視点とも融合し、恐ろしいほど吹っ飛び、恐ろしいほど山に食い込んでいた。

現在、放映されている「暴太郎戦隊ドンブラザーズ」でのロボシーンはCGオンリーであるが、CG技術の発展が素人目からも理解できる。美しくも破壊力抜群のスペシウム光線を見に行くだけでも映画館に足を運ぶ価値はある。

 

特撮の表現方法が昔と比べ、完全に差別化された。昭和・平成時代の特撮は、「スーツアクターのアクション」「模型による自然やビル」「爆薬による破壊」だったが、「CG技術を主にした表現力の高い特撮」に移行した。「昔の特撮の方がプロレスのようで味がある」「ワイヤーアクションやスーツアクターの方のアクロバットが良い」とコアなファンなら思うかもしれないが、技術の進歩にただただ感動。

 

怪獣の多様性

2つ目の「怪獣の多様性」。今回の「シン・ウルトラマン」では、人間をも凌駕する知的生命体の存在にスポットが当たっている。知的生命体といえばウルトラマンセブンの「メトロン星人」が頭に過ぎる。和室でウルトラマンセブンと対談しているシーンがあるが、今回の「シン・ウルトラマン」でも怪獣(異星人)との対談シーンが面白い。

 

対談シーンでは、「男性が好きそうな専門用語をマシンガンの如く使っている!」といった印象。怪獣(異星人)がウルトラマンや総理官邸とシーンがあるが、思わず「クスッ」と笑いたくなるようなやりとりが楽しめる。

 

そして、怪獣にもそれぞれ目的がある。「電気」「放射線」「ビジネス」などあらゆる目的で対処する側の人間を困らせにくる。人間の叡智を集結し、対処する人間の姿は「シン・ゴジラ」でゴジラを撃破するために奮闘するシーンと酷似している。子どもも見れる作品だが「大人も楽しんでね!」と制作者側が配慮してくれていると感じた。

 

カメラワーク

上記でも少し触れたが、多様なカメラワークがとても面白い作品。例えばなぜかオフィスの椅子視点になったり、お菓子の袋の中からの視点になったりと「どこにカメラがある設定なの!」とツッコミたくなるような多様なカメラワークをしている。恐ろしく大胆に設置されているカメラに知的好奇心が止まらなくなるのでぜひ意識して映画を見ていただきたい。

 

まとめ

「シン・ウルトラマン」は、「今、私は映画を見にきている!」と実感できる作品。数ヶ月後、サブスクで鑑賞できるようになると思われますが、映画館で見るべき作品です。

新時代の特撮をぜひ劇場で楽しんでください!